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介護士の心構え「介護の専門性その1は、関係づくり」

介護サービスを受ける方はお金を払ってそのサービスを受けている…逆に介護側から言えば、自分の介護力を提供して利用者からお金をもらい、国の税金から報酬をもらい、そして自分の給料としてもらっている訳ですから、家族の介護とは違った専門性が求められる、というところまで考えてみました。では、その専門性とは何かをみていきましょう。

いつでも・どこでも・誰とでも
家族以外の介護というのは、いつでも、どこでも、誰とでも発生していくものです。あるおばあちゃんがあるデイサービスセンターに行って介護サービスを受ける事を選びました。その理由は、自宅から近いからという事と、近所の知り合いもたくさん利用しているから、です。そのデイサービスセンターには、隣の市に住んでいる30歳代の男性が勤めています。その男性がこのセンターに勤めているのは、隣の市とは言っても比較的通勤に便利、という理由です。この様に、各々違った理由を持っている赤の他人が一つの場所で出会う、そこから介護が始まるのですから、場所や時間や人を選んで始まるのではないのです。

専門性とは何か
例えば医師。医師には、医師にしか行えない業務というものが確立されています。医師以外の者が行うと、法律により罰せられます。看護師もそうですね。(准)看護師免許を持っていなければ行ってはいけない医療行為は沢山あります。この様な場合は、専門性をいちいち求めなくても、既に確立されている訳ですね。でも、介護は違います。介護福祉士の資格をもっていない人がオムツ交換したからと言って、罪に問われる事はありません。食事を食べるのを手伝っても、お風呂を手伝っても同じです。専門性とは簡単に言えば、『あなたには出来ないけれどもわたしには出来る』というものです。いつでも・どこでも・誰とでも発生する介護において、わたしにしか出来ない事を成り立たせるには、ハッキリ言って矛盾を感じます。ではどうしましょうか。

関係づくり
よく、利用者とスタッフの信頼関係を築いて…と言われます。でも、信頼関係ってそんなに簡単に築く事が出来るのでしょうか。あなたは、赤の他人を信頼するのに、どんな事が必要ですか?信頼するまでに、どのくらいの時間がかかりますか?ただし、介護における信頼とは一般の方の信頼とは少し違います。だって、あなたは、信頼していない人に自分の裸を見せる事が出来ますか?いや、ただ信頼しているだけではなく、異性に裸を見せるという事はそれなりの関係だという事ですよね、一応…。でも、デイサービスに新しくきたおばあちゃんは、30歳代の初めて会った若い男性に裸を見られる可能性があるんです。もちろん、同性介助しかしていない事業所もあるでしょう。しかし、同性だからと言って、温泉や銭湯ででも出会うのではなく、自分のお風呂に入るのを手伝ってもらうのに初めての同性に手伝ってもらうのですから、一般的な信頼とは違う事がよく解ります。トイレにおいては、なおさらそうですよね。

ですから言い換えてみれば、介護の世界の関係づくりというのは、このお風呂やトイレ、そして食事という、いわゆる三大介護を行い続ける事で築き上げられていくものだと言えるかもしれません。三大介護と言うと悪いイメージしかありませんから、これは人間が暮らす上での日常的な行動ですよね。ですので、三大介護=「日常」だとも言えます。つまり、日常を通して関係づくりを行っていくのです。この様に発展すると、一般的な信頼に近くなっていくのではないのでしょうか。日常を通して、仕事を通して関係づくりを行っていくのは、誰しも当たり前です。しかし介護の場合、その日常が、もっと人間的な、動物的なところまで踏み込んでいるという訳です。